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歯科コラム Column

第1回小児矯正は何年かかる?何年も続ける必要があるのでしょうか

小児矯正
監修:歯科医師 伊藤 尚史

「小学生で矯正を始めたら、高校生までずっと続くのでしょうか?」答えは、必ずしもそうではありません。歯を動かす治療が終わった後も、成長や生え替わりを確認することはあります。しかし、そのすべてが装置で歯を動かしている期間ではありません。

伊藤歯科クリニックでは、今治す意味がある問題にゴールを定め、必要な治療が終わればいったん区切ります。この記事では、小児矯正が長く見える理由と、治療・保定・成長観察を分けて期間を考える方法をお伝えします。

■結論

小児矯正にかかる期間は、治す問題、歯の生え方、使う装置などで変わります。ただし、「成長を見届けるまでの年数」と「歯やかみ合わせに働きかける治療の期間」は分けて説明できます。

治すときには治す。待つときには待つ。

当院では、この区切りを大切にしています。診断時には今回の治療の終了予定を示し、その後の保定や観察についても別に説明します。

なぜ小児矯正は長期間になりやすいのか?

成長を利用したい時期と、永久歯がそろう時期が違うからです

小児矯正には、成長途中だからこそ取り組む意味がある問題があります。たとえば、前歯の反対のかみ合わせや、歯の生える場所に関わる問題は、状態によって早めの対応を検討します。

 

一方、小学生の口の中では、乳歯と永久歯が入れ替わっている最中です。今見えている前歯が整っても、まだ生えていない歯の位置まで、その時点で最終確認することはできません。

永久歯がそろっても、顎の成長は続きます

歯の生え替わりと顎骨の成長は、同じ時点で終わるわけではありません。永久歯の位置に加え、上下の顎の成長によってかみ合わせが変わることがあります。

成長を利用するなら、小学生、できれば前半の時期に治療する意味があるかを検討します。ただし、年齢だけで始めるのではなく、その子の問題と発育段階から判断します。

小児矯正には、時間の組み立て方が2つあります

成長中の変化を継続して管理する考え方

小学生から中学生・高校生にかけて、歯の生え替わりや顎の成長に合わせ、継続的に診ていく方法です。その中には、装置を使う時期と、経過を見る時期が含まれることがあります。

長く通っているという事実だけで、治療の良し悪しは決まりません。確認したいのは、その時期に何を行い、何を目指しているかです。

第1期を終え、成長後の治療を改めて考える方法

第1期は、子どもの時期に行う意味のある治療を行う段階です。第1期を終えた後、必要な保定や成長の確認を続けることはありますが、全員に第2期が予定されているわけではありません。

当院では、重大な医学的問題がなければ、成長後に本人が歯ならびをさらに整えたいと希望したときに「仕上げ矯正」を検討します。中学生になったことだけを開始の理由にはしません。

「何年かかる?」は、3つの期間に分けて確認しましょう

歯を動かす期間

装置を使って歯を動かしたり、かみ合わせに働きかけたりする期間です。本シリーズでは、これを「積極的な矯正治療」と呼びます。終了予定は、実際の歯の動きや装着状況に応じて見直すことがあります。

保定する期間

保定とは、治療で整えた歯の位置を保ち、後戻りを抑えるための段階です。必要に応じて保定装置を使います。

保定は矯正治療の一連の過程に含まれる大切なケアです。ただし、新たに歯を動かす治療とは目的が違うため、期間と装着方法を分けて説明します。

成長・生え替わりを見守る期間

装置で新たな変化を起こすのではなく、歯が生える様子やかみ合わせの変化を確認する期間です。保定や定期検診と時期が重なることもあります。

「矯正はいったん終了」と説明された後も、必要な確認まで終わるわけではありません。何を、いつ、どの診療で確認するかを決めておくことが大切です。

相談では、終了予定と終了条件を聞いてください

期間の見通しには、「何か月の予定か」と「何ができたら終わりか」の両方が必要です。短い予定が示されても、その中身が分からなければ、保護者の不安は残ります。

  • 今回の治療では、どの歯ならび・かみ合わせを治すのか
  • いつ終了する予定で、どの状態を終了の目安にするのか
  • 終了後に、保定や成長観察はどのように行うのか
  • 予定が変わる場合、理由と新しい見通しをどう説明するのか

短期間を目指すことは、必要な治療や保定を省くことではありません。

当院は、達成するゴールを明確にして、不要な待ち時間まで治療として続けないことを重視します。

当院の伊藤式こども時短矯正は、子どもの時期の治療を一度完了させます

伊藤歯科クリニックでは、子どもの時期だからこそ行う意味のある矯正治療を、必要以上に長引かせず、原則として第1期治療の中で短期間に完了させる治療体系を、「伊藤式こども時短矯正」と呼びます。

ブランド名は当院の治療体系を表し、「第1期矯正」は医学的な治療段階を表します。主に第1期の中で実践し、その時期にしておく意味のある治療を一度完了させます。

小学生のうちに歯ならびを永久に完成させることでも、将来必ず行う第2期の準備だけでもありません。成長を利用したほうがよい問題、永久歯が生えるスペース、基本的な歯列の形とかみ合わせを、可能な範囲で整えます。

低学年では半年程度、交換期からは1年程度を目安に計画します

当院では、適応があれば小学校低学年から取り組むことを重視しています。この時期には、おおむね半年程度で第1期を完了できるケースが多いという臨床経験があります。

犬歯や小臼歯などに生え替わる「側方歯群の交換期」に入ってから始めると、歯の萌出と移動を同時に管理するため、治療が複雑になりやすくなります。その場合も、1年程度を一つの目安として完了を目指します。

これは当院の計画上の目安であり、すべてのお子さんの期間を保証する数字ではありません。診断と実際の経過に合わせて、終了予定を説明します。

成長を見守る期間を、治療の年数に足し続けません

第1期を完了した後は、生え替わりや顎の成長を確認します。多少の歯のゆがみが出ても、治療を急ぐ問題か、本人が後に仕上げを選べる問題かを分けて判断します。

この5原則に基づく治療設計の全体像は、第9回で説明します。

伊藤歯科クリニックの考え方

当院は、まず「今、治すべきか」を見極めます。治す意味があるなら、終わる時期とゴールを示し、そこから逆算して計画を立てます。

伊藤式こども時短矯正で子どもの時期の治療をいったん終え、成長はその後も見守る。重大な問題がなければ、細かな仕上げは成長後に本人が選べるようにする。この区切りが、子どもとご家族の負担を減らすと考えています。

まとめ

  • 成長を見届ける年数と、装置で治療する期間は同じではありません
  • 歯を動かす治療、保定、成長観察を分けると、見通しが分かりやすくなります。
  • 伊藤式こども時短矯正で、子どもの時期に意味のある治療を一度完了させます。
  • 重大な問題がない細かな仕上げは、成長後に本人が希望したときに検討します。
  • 相談では、終了予定と「何ができたら終わりか」を確認しましょう。

詳しく知りたい方は、西宮市甲子園の伊藤歯科クリニックにご相談ください

小児矯正の期間が気になるときは、「何年通うか」だけでなく、今回どこまで治し、何ができたら装置治療を終えるのかを確認することが大切です。

伊藤歯科クリニックでは、矯正検査で歯の生え方とかみ合わせを確認し、今治す意味のある問題と、成長後に判断することを分けます。治療を行う場合は、ゴールと終了予定を示し、保定や成長観察の進め方も説明します。

学校生活や家庭での装置管理への心配、これまで受けた説明で分からなかった点もお伝えください。「小学生だから始める」と決めるのではなく、お子さんのお口の実態から、開始時期と治療の区切りを一緒に整理します。まず、今の状態に合う見通しを確認しましょう。

Q&A

Q. 子どもの矯正は、小学生から高校生まで何年も続きますか?

必ず高校生まで装置を使うわけではありません。今回の治療が終われば積極的な矯正治療を区切り、その後は必要な保定と観察を行う計画があります。

Q. 小児矯正の治療期間は、半年で終わることもありますか?

 当院では、適応のある低学年の第1期を半年程度で完了できるケースが多いと考えています。ただし、全員に当てはまる期間ではありません。生え替わりの状況と今回の治療範囲から、個別に見通しをお伝えします。

歯ならびを見守る経過観察も、矯正治療の期間に含まれますか?

期間の呼び方は医院や説明の範囲によって異なります。当院では、歯を動かす期間、保定、成長観察を分けて説明し、成長を待つ年数をそのまま積極的な治療期間にはしません。

Q. 子どもの矯正は、早く始めるほど早く終わりますか?

開始が早いほど全体が短くなるとは限りません。今治す必要のない段階から始めれば、待つ時間が長くなることもあります。早めに相談し、開始時期は診断で決めます。

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監修者プロフィール

甲子園矯正歯科 伊藤歯科クリニック
院長 伊藤 尚史
プロフィール

大阪大学歯学部卒業。同大学大学院修了(歯学博士)。
口腔外科領域において高度な臨床経験を積んだ後、伊藤歯科クリニックを開院。
歯科医師臨床研修指導医。

3500症例以上の矯正治療経験を有するマウスピース矯正の臨床家。
甲子園矯正歯科 伊藤歯科クリニックでは、年間300症例以上を院長自ら一貫して直接治療・経過管理している。
さらに外部歯科医院を含め年間750症例以上のマウスピース矯正治療を統括・管理し、インビザライン・ブルーダイヤモンドプロバイダーに認定。
多数症例の解析データに基づき、再現性と安全性を重視した治療設計を実践している。

資格
  • 歯科医師(大阪大学歯学部卒業)
  • 歯学博士(大阪大学大学院歯科口腔外科)
  • 歯科医師臨床研修指導医
  • インビザライン(マウスピース矯正)
  • ブルーダイヤモンドプロバイダー(年間750症例以上)
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