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歯科コラム Column

MFTで歯ならびは治る?口腔機能管理と小児矯正の違い

小児矯正
監修:歯科医師 伊藤 尚史

「MFTを続けている間は、矯正も終われないのでしょうか?」口腔機能の訓練が必要なことと、歯を動かす治療を続けることは別に判断できます。MFTだけですべての歯ならびを治せるわけでもありません。

当院の「伊藤式こども時短矯正」は、子どもの時期に意味のある治療を必要以上に長引かせず、主に第1期の中で完了を目指す治療体系です。必要な機能管理を大切にしながら、矯正には独立したゴールを設ける。この記事では、MFT、保険の口腔機能管理、歯を動かす治療と保定の違いを説明します。

結論

MFTで目指すのは、舌や唇などの使い方を整えることです。口腔機能と歯ならびは関係しますが、歯の重なりやねじれ、上下のかみ合わせを治すためには、別に歯を動かす治療が必要なことがあります。

口腔機能を整えることと、歯を計画した位置へ動かすことは、同じ治療ではありません。

この違いを理解すると、「訓練を何年続ければ歯がそろうのか」という疑問を、より具体的に相談できます。

MFTとは?舌や唇などのお口の使い方を整える訓練です

MFTは、口腔筋機能療法のことです。舌、唇、頬などの動きや安静時の状態を確認し、必要な機能を身につけるために訓練や指導を行います。

「咀嚼」は食べ物をかむこと、「嚥下」は飲み込むことです。口を閉じる、かむ、飲み込むといった日常の動きの中に、評価や支援が必要な問題がないかを見ます。

筋力だけでなく、普段の使い方を見ます

舌や唇の力を強くすればよい、と単純には考えません。力を入れていないときの舌の位置、口唇閉鎖、食べるときの動きなどを、その子の発達に合わせて評価します。

歯ならびに影響する習慣があるかを調べることも大切です。ただし、舌の癖が見つかっただけで、歯ならびの原因をすべて説明できるわけではありません。

どのようなときにMFTを検討しますか?

口腔機能に、具体的な課題がある場合です

たとえば、安静時に唇が閉じにくい、舌の位置や飲み込み方に課題があるなど、機能の評価を通じて必要性を判断します。歯ならびが気になる子ども全員に、同じ訓練が必要なわけではありません。

  • 何もしていないときの唇や舌の状態
  • 食べ物をかむ・飲み込むときの様子
  • 話すときのお口の動き
  • 歯やかみ合わせとの関係、年齢に応じた発達

これらを確認し、「何ができるようになることを目指すか」を決めます。

口が開く理由も確認します

口が開いている場合、習慣だけでなく鼻の通りや歯・顎の形態が関係していることもあります。原因を調べず、本人の努力不足と考えるべきではありません。

鼻づまりなどが続く場合は、必要に応じて耳鼻咽喉科などと連携します。MFTだけで呼吸に関する問題を解決しようとはしません。

MFTと歯を動かす矯正治療は、ゴールを分けて評価します

MFTでは、日常の機能がどう変わったかを見ます

訓練の評価では、その場で課題ができたかに加え、日常の口の使い方に変化があるかを確認します。必要性や進み具合に合わせて、指導内容を調整します。

機能に良い変化があったとしても、それだけで歯の重なりやかみ合わせの治療が完了したとは判断しません。歯ならびは、歯ならびとして診察します。

1期矯正では、歯列の形と永久歯の場所まで考えます

当院の第1期では、基本的な歯列の形とかみ合わせに加え、永久犬歯が生えるスペースも具体的なゴールに含めます。その計画を実現するために装置を選びます。歯の移動が必要なのに、その評価をせず訓練だけを続ければ、保護者には終了の見通しが分かりにくくなります。

逆に、歯を整えたことで口腔機能の課題もすべて解決した、と考えるのも適切ではありません。両方が必要なら、それぞれの目標を持って取り組みます。

MFTが続く間、矯正も続ける必要はありますか?

MFTの継続期間と、歯を動かす矯正の期間は一致するとは限りません。矯正のゴールに達したら積極的な治療を区切り、必要な保定や機能訓練を続ける計画もあります。

保定とは、整えた歯の位置を保ち、後戻りを抑えるためのケアです。MFTに取り組んでいるからといって、必要な保定装置を自己判断で外してよいわけではありません。

「何を続けるか」だけでなく、「何のために続けるか」を確認してください。

MFTが中心の時期なのか、歯を動かす時期なのか、保定の時期なのか。目的が分かれば、家庭での取り組みも整理できます。

口腔機能発達不全症の管理と、矯正の違いも整理しましょう

病名と訓練法、矯正治療は別のものです

口腔機能発達不全症とは、食べる・話すなどの機能の発達や獲得が不十分で、専門的な支援が必要な状態です。明らかな摂食機能障害の原因疾患がないことなども含め、診断の基準に沿って評価します。単に「歯ならびが気になる子ども」の別名ではありません。

MFTは、その機能を支える際に検討する訓練の一つです。病名そのものでも、保険制度の名称でもありません。評価、食べ方などの指導、必要な訓練、再評価を、その子の課題に合わせて行います。

保険の管理があることと、矯正が保険になることは違います

保険診療には、所定の要件を満たす18歳未満の口腔機能発達不全症の患者に対する「小児口腔機能管理料」があります。同意を得て評価に基づく計画を作り、管理を行う仕組みです。

MFTという名称だけで保険適用は決まりません。どの診断に対し、何の目的で、どの診療を行うかによります。

一般的な歯ならびの矯正は原則として自由診療です。特定疾患に起因するかみ合わせの異常や、手術を要する顎変形症など、所定の条件に該当する場合には保険適用があり、医療機関にも条件があります。口腔機能発達不全症の診断だけで、小児矯正全体が保険になるわけではありません。

長期の機能管理を、矯正の継続と同一視しません

口腔機能の発達には時間がかかり、評価や指導を続ける必要があることがあります。伊藤歯科クリニックは、その必要性を否定していません。

一方、歯ならびを治す今回のゴールに達していれば、積極的な矯正治療を区切ることができます。その後は、必要な保定と、口腔機能の管理をそれぞれの目的で続けます。

伊藤歯科クリニックの考え方

当院は、必要なMFTと必要な矯正治療を、それぞれ大切にします。口腔機能を評価することを省かず、伊藤式こども時短矯正にも独立したゴールと終了予定を持たせます。

「機能訓練が続くから、矯正も終われない」とは考えていません。第1期を一度終えた後は、必要な保定や機能管理と成長の観察を行います。重大な問題がない細かな仕上げは、成長後に本人が希望した時点で選べるようにします。

まとめ

  • MFTは、舌や唇などの口腔機能を整える訓練です。
  • MFTだけですべての歯ならびを治せるとは考えません。
  • 口腔機能管理と伊藤式こども時短矯正は、それぞれの目標で評価します。
  • MFTの継続と、積極的な矯正治療の継続は同じではありません。
  • 必要な保定や、原因に応じた他科との連携も大切です。

詳しく知りたい方は、西宮市甲子園の伊藤歯科クリニックにご相談ください

MFTと矯正のどちらが必要か迷うときは、お口の使い方と歯の位置を、それぞれ評価することが大切です。伊藤歯科クリニックでは、舌や唇などの機能の確認と、矯正検査による歯列・かみ合わせの確認を行い、必要な支援を整理します。

機能訓練には機能の目標を、歯を動かす治療には矯正のゴールと終了予定を持たせます。訓練が続いていることだけを理由に、達成した矯正治療まで延ばす方針ではありません。

「訓練を何のために続けるのか」「保定は別に必要か」「保険で受けられる診療はどこまでか」も、診断と実施内容に沿って説明します。家庭での取り組みを含めて役割を確認し、お子さんに必要な治療と管理を選びましょう。

Q&A

舌のトレーニングだけで、子どものガタガタの歯ならびは治りますか?

すべてのガタガタを、舌の訓練だけでそろえられるわけではありません。歯が並ぶ場所、歯の位置、かみ合わせを診断し、歯を動かす治療が必要か判断します。

MFTや口腔筋機能療法は、小児矯正に必須ですか?

全員に必須ではありません。機能上の課題があるかを評価し、その子に必要な内容を選びます。歯ならびの見た目だけでは必要性を決めません。

MFTをすれば、歯ならびやかみ合わせの後戻りは防げますか?

MFTを行っても、後戻りを防げると保証することはできません。口腔機能への対応と必要な保定を、別々に評価して続けます。

お口の機能訓練は何年続けますか?矯正期間と同じですか?

全員に共通する年数はありません。対象とする機能と達成したい目標を定め、定期的に再評価します。続ける理由や終了の目安は、担当歯科医師に確認してください。

MFTや口腔機能発達不全症の管理は、健康保険で受けられますか?

診断と実施内容が所定の要件を満たすかによります。訓練の名称だけでは決まらず、一般的な歯ならびの矯正全体が保険になるわけでもありません。

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監修者プロフィール

甲子園矯正歯科 伊藤歯科クリニック
院長 伊藤 尚史
プロフィール

大阪大学歯学部卒業。同大学大学院修了(歯学博士)。
口腔外科領域において高度な臨床経験を積んだ後、伊藤歯科クリニックを開院。
歯科医師臨床研修指導医。

3500症例以上の矯正治療経験を有するマウスピース矯正の臨床家。
甲子園矯正歯科 伊藤歯科クリニックでは、年間300症例以上を院長自ら一貫して直接治療・経過管理している。
さらに外部歯科医院を含め年間750症例以上のマウスピース矯正治療を統括・管理し、インビザライン・ブルーダイヤモンドプロバイダーに認定。
多数症例の解析データに基づき、再現性と安全性を重視した治療設計を実践している。

資格
  • 歯科医師(大阪大学歯学部卒業)
  • 歯学博士(大阪大学大学院歯科口腔外科)
  • 歯科医師臨床研修指導医
  • インビザライン(マウスピース矯正)
  • ブルーダイヤモンドプロバイダー(年間750症例以上)
外観の写真
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