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【歯科医師解説】インビザラインができない人の特徴6つ。できない場合の代替手段もご紹介します

矯正
監修:歯科医師 伊藤 尚史

「インビザラインで矯正したいけれど、自分の歯ならびでも本当に治療できるのだろうか」と不安に感じている方は少なくありません。インビザラインは、透明なマウスピースを使う目立ちにくい矯正治療として広く知られていますが、すべての症例にそのまま適応できるわけではありません。

歯や歯ぐきの状態、顎の骨格、必要な歯の移動量によっては、ワイヤー矯正や外科的な治療を組み合わせたほうがよい場合もあります。この記事では、インビザラインが難しいケースと、その場合にどのような治療法が考えられるのかを、できるだけわかりやすく解説します。

インビザラインができない人

  • 歯周病が進行している
  • 埋伏歯がある
  • インプラントを埋入している
  • 複数本の抜歯が必要 
  • 歯並びの乱れが重度すぎる
  • 骨格的に歪みが大きい

歯周病が進行している

歯周病が進行している場合は、まず歯周病の治療を優先することが大切です。歯周病が進むと、歯を支える骨や歯ぐきに炎症が起こり、歯を支える力が弱くなります。その状態で無理に矯正力をかけると、歯の揺れが強くなったり、骨の吸収が進んだりするおそれがあります。

ただし、歯周病があるからといって、必ずしもインビザラインができないわけではありません。炎症をしっかり落ち着かせ、歯ぐきの状態が安定すれば、マウスピース矯正が有効な選択肢になることもあります。実際には、強い力がかかりやすい治療法よりも、力を比較的コントロールしやすいマウスピース矯正のほうが向いている場面もあります。

大切なのは、「歯周病があるから矯正できない」と単純に考えるのではなく、今どの程度炎症があるのか、どこまで安定しているのかを見極めることです。まず歯周病治療を行い、そのうえで矯正治療の可否を判断する流れが基本になります。

埋伏歯がある

埋伏歯とは、歯が骨や歯ぐきの中に埋まったまま正常な位置に出てこない状態を指します。代表的なのは犬歯などが骨の中に残っているケースです。このような歯は、インビザラインだけで引っ張り出すことできないので、ワイヤー矯正で引っ張り出す必要があります。

インビザラインは、歯の表面にマウスピースを装着して、少しずつ歯を動かしていく治療です。しかし、まだ表に出てきていない歯には、その仕組みだけでは十分に力をかけられません。そのため、まず外科的に歯を露出させ、その後にワイヤー装置などで牽引する処置が必要になります。当院ではレーザーを使って埋まっている歯牙を露出させることができるので、少ない痛みと出血量で処置を行うことができます。

つまり、埋伏歯がある場合はインビザライン単独ではなく、外科処置やワイヤー矯正を組み合わせた治療計画になることが少なくありません。見た目が目立たない治療を希望される方でも、最初から最後までマウスピースだけで進められるとは限らない点を理解しておくことが大切です。

インプラントを埋入している

インプラントが入っている方は、インビザラインの治療計画に制約が出ることがあります。その理由は、インプラントが天然歯のようには動かないからです。

天然歯は、歯の根のまわりにある歯根膜という組織を介して骨の中に支えられており、矯正力をかけることで少しずつ位置を変えられます。一方、インプラントは骨と直接結合しているため、矯正装置で力をかけても移動しません。つまり、歯列の中に「動かせない場所」がある状態になります。

このため、歯列全体を整えたいときに、動かせる歯だけで噛み合わせや見た目のバランスを取らなければならず、治療計画の自由度が下がることがあります。ただし、インプラントがあるから矯正できないと決まるわけではありません。動かないことを逆に利用して、他の歯を効率よく動かせる場合もありますし、必要に応じて被せ物の形を調整するなど、補綴治療と組み合わせて仕上げることもあります。

重要なのは、CTなどの精密検査を行い、どの歯をどの程度動かせるのかを正確に把握することです。インプラントがある方ほど、治療前の診断力が結果を左右します。

複数本の抜歯が必要 

顎の大きさに対して歯が並ぶスペースが大きく不足している場合、複数本の抜歯が必要になることがあります。このような症例では、抜歯によってできたスペースを利用して、歯を大きく、しかも正確に動かしていく必要があります。

インビザラインは、段階的に歯を整えていくのが得意な治療法ですが、長い距離を移動させる症例や、歯の傾き・向き・根の位置まで厳密にコントロールしたい症例では、難易度が高くなることがあります。特に前歯を大きく下げる必要があるケースや、奥歯との噛み合わせを細かく調整しながら進めるケースでは予測実現性が下がります。この点はワイヤー矯正など、他の矯正でも同じです。

複数本の抜歯を伴う症例では、ワイヤー矯正が第一選択になることも少なくありません。一方で、症例によっては最初の大きな移動をインビザラインで行い、途中からワイヤー矯正に切り替える方法も考えられます。抜歯が必要と言われたからといって、必ずマウスピース矯正が不可能というわけではなく、どの段階をどの装置で行うかが大切になります。

歯並びの乱れが重度すぎる

歯並びの乱れが強い場合も、インビザライン単独では難しいことがあります。例えば、歯が大きく重なっている重度の叢生、前歯が大きく前に出ている出っ歯、反対に下顎が前に出て見える受け口、上下の噛み合わせが深い・浅いなど、複雑な問題が重なっているケースです。

このような症例では、単に歯を横に並べるだけではなく、歯の角度や高さ、奥歯との噛み合わせまで三次元的に整える必要があります。インビザラインでもかなり多くのことが可能になっていますが、計画どおりに動きにくい歯があると、治療全体のズレが大きくなってしまうことがあります。

また、移動量が大きい症例ほど、患者さまの装着状況にも結果が左右されやすくなります。少しのズレが積み重なると、追加のマウスピースが必要になったり、治療期間が延びたりすることもあります。そのため、確実性を重視する場合には、ワイヤー矯正や他の補助装置を組み合わせたほうがよいと判断されることがあります。

骨格的に歪みが大きい

歯並びの乱れが、歯そのものの位置の問題ではなく、顎の骨格に由来している場合は、インビザラインだけでは十分に改善できないことがあります。代表的なのは、下顎が大きく前に出ている受け口や、上顎と下顎の前後差が大きい出っ歯などです。

このようなケースでは、歯を並べ替えるだけでは見た目や噛み合わせの問題が根本的に解決しないことがあります。例えば、歯を無理に傾けて見た目だけ整えても、口元のバランスや横顔、噛む機能まで理想的に改善できないことがあります。

骨格のズレが大きい場合には、顎の位置を外科手術で整え、その前後に矯正治療を行う「外科矯正」が検討されます。インビザラインは歯を動かす装置であり、顎の骨そのものの位置を変えることはできません。そのため、骨格が主な原因になっている場合は、最初の診断でその点を見落とさないことが非常に重要です。

インビザラインをおすすめできない人

インビザラインは見た目が自然で快適性も高い治療法ですが、向いている人と向いていない人がいます。ここでは、治療そのものは可能でも、あまりおすすめしにくい方の特徴を解説します。

  • 自己管理が苦手
  • 定期通院が難しい
  • 口腔ケアを怠ってしまう

自己管理が苦手

インビザラインは取り外しができることが大きなメリットですが、同時に自己管理が必要な治療でもあります。一般的には、1日20〜22時間程度の装着が必要で、食事や歯みがきの時以外はしっかり装着しておくことが求められます。

装着時間が足りないと、歯が予定どおりに動かず、マウスピースが合わなくなったり、次の段階に進めなくなったりします。その結果、治療期間が延びるだけでなく、追加の調整やマウスピースの再製作が必要になることもあります。

また、外したあとに戻し忘れる、間食のたびに着脱してそのままにしてしまう、といったことが続くと、治療はうまく進みません。ルールを守ってコツコツ続けることが苦手な方には、ワイヤー矯正など固定式の矯正装置のほうが合っている場合があります。

定期通院が難しい

インビザラインはワイヤー矯正に比べて通院回数が少ない傾向がありますが、通院が不要というわけではありません。治療中は、歯が計画どおりに動いているか、マウスピースが合っているか、アタッチメントが外れていないかなどを定期的に確認する必要があります。

もし通院の間隔が空きすぎると、問題が起きていても気づかないまま進んでしまうことがあります。見た目には順調そうでも、実際には一部の歯が予定どおりに動いていないこともあり、そのまま進めると後半で大きな修正が必要になる場合があります。ただし、スマホの写真撮影機能を使った遠隔サポートアプリを活用すれば、チェックは毎週、通院は3〜6ヶ月に1回というフォローが可能な場合があります。

治療中はむし歯や歯周病のチェック、クリーニングも重要です。3ヶ月〜6ヶ月に1回程度のメインテナンスはあった方がいいでしょう。仕事や育児、転勤、長期出張などで継続的な通院が難しい方は、治療方法そのものを慎重に選ぶ必要があります。

口腔ケアを怠ってしまう

インビザラインでは、歯とマウスピースの両方を清潔に保つことがとても重要です。食べたあとに歯みがきをせず、そのままマウスピースを装着すると、汚れや糖分が歯の表面にとどまりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

また、マウスピース自体の清掃が不十分だと、においや着色、細菌の増殖につながることがあります。治療期間が長くなるほど、こうした日々のケアの差が口腔内の状態に大きく影響します。

もともと歯磨きが苦手な方や、外出先でのケアが習慣化しにくい方は、インビザラインのメリットを活かしにくいことがあります。きれいに歯を並べることだけでなく、治療中に口の中を健康に保てるかどうかも重要なポイントです。

インビザラインができない人におすすめの矯正方法

インビザラインが難しいと診断された場合でも、矯正治療そのものをあきらめる必要はありません。状態に応じて、別の方法や組み合わせ治療を選ぶことで、よりよい結果を目指せることがあります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、もっとも歴史があり、多くの症例に対応してきた実績のある治療法です。歯の表面にブラケットをつけ、ワイヤーの力で歯を動かしていくため、歯の位置だけでなく、角度や高さ、根の向きまで細かく調整しやすいという強みがあります。

特に、移動量が大きい症例、複数本の抜歯が必要な症例、重度の叢生や受け口など、難易度の高いケースではワイヤー矯正が力を発揮します。装置が固定式なので、患者さま自身が装着時間を管理する必要がなく、治療の確実性を保ちやすい点も大きなメリットです。

最近では、白いワイヤーや目立ちにくいブラケットなど、見た目に配慮した選択肢もあります。見た目だけで治療法を選ぶのではなく、「しっかり治したい症例に向いている方法」として考えることが大切です。

コンビネーション矯正

コンビネーション矯正とは、ワイヤー矯正とインビザラインの両方を組み合わせて行う方法です。たとえば、最初にマウスピース矯正で大まかに歯を動かし、その後の仕上げや細かな調整をワイヤー矯正で行うことで、それぞれの長所を活かした治療が可能になります。

この方法のメリットは、難しい症例にも対応しやすく、かつ途中から見た目の負担を減らせることです。マウスピース矯正の「大きく正確に動かす力」と、ワイヤー矯正のモチベーションに左右されない確実な移動を組み合わせることで、治療の幅が広がります。

インビザライン単独では難しいと判断された方でも、コンビネーション矯正なら対応できる場合があります。どの装置が向いているかは症例によって異なるため、最初から一つの方法にこだわりすぎず、複数の選択肢を比較することが大切です。

インビザラインができるかどうか不安な方は、西宮市甲子園の伊藤歯科クリニックにご相談ください

インビザラインができるかどうかは、見た目だけでは判断できません。歯ならびの状態だけでなく、歯ぐきや骨の状態、顎の骨格、必要な移動量、生活習慣まで含めて見ていく必要があります。伊藤歯科クリニックでは、精密検査を行ったうえで、インビザラインが向いているのか、ワイヤー矯正やコンビネーション矯正のほうが合っているのかを丁寧に判断しています。自分に合う方法がわからない方は、まず現在の状態を具体的に知ることから始めてみてください。

イラスト

マウスピース矯正で後悔したくない方は、
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BLUE DIAMOND 年間800症例以上の実績があるブルーダイヤモンド認定ドクター

院長は年間750症例以上の治療計画作成実績に与えられるブルーダイヤモンド認定ドクターです。そして、他の歯科医院にも矯正治療指導を行なっているインビザライン公式スピーカー(セミナー講師)です。

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監修者プロフィール

甲子園矯正歯科 伊藤歯科クリニック
院長 伊藤 尚史
プロフィール

大阪大学歯学部卒業。同大学大学院修了(歯学博士)。
口腔外科領域において高度な臨床経験を積んだ後、伊藤歯科クリニックを開院。
歯科医師臨床研修指導医。

3500症例以上の矯正治療経験を有するマウスピース矯正の臨床家。
甲子園矯正歯科 伊藤歯科クリニックでは、年間300症例以上を院長自ら一貫して直接治療・経過管理している。
さらに外部歯科医院を含め年間750症例以上のマウスピース矯正治療を統括・管理し、インビザライン・ブルーダイヤモンドプロバイダーに認定。
多数症例の解析データに基づき、再現性と安全性を重視した治療設計を実践している。

資格
  • 歯科医師(大阪大学歯学部卒業)
  • 歯学博士(大阪大学大学院歯科口腔外科)
  • 歯科医師臨床研修指導医
  • インビザライン(マウスピース矯正)
  • ブルーダイヤモンドプロバイダー(年間750症例以上)
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