【歯科医師解説】受け口はインビザラインで治せる?放置するリスクや治療費用・期間など
受け口(下顎前突)は、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音、前歯への負担など、様々な健康上の問題を引き起こす可能性があります。そのため、「インビザラインで受け口を治せるのだろうか?」と疑問に思っている方も多いでしょう。
受け口の原因は骨格や成長、遺伝など様々ですが、軽度のケースではマウスピース矯正(インビザライン)による治療が可能な場合もあります。特に小児期においては、顎の成長や顔貌のバランスに大きく影響するため、早期の対応が非常に重要です。放置することで、将来的に治療の難易度が高まったり、リスクが増大したりする可能性があります。
本記事では、インビザラインによる受け口治療の可能性、期間、費用について、歯科医師がわかりやすく解説します。
受け口とは

受け口(反対咬合)は、下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせの状態を指します。医学的には「下顎前突」や「反対咬合」と呼ばれます。本来、正常な噛み合わせでは上の前歯が下の前歯よりわずかに前に位置します。しかし受け口の場合、この関係が逆転してしまい、見た目だけでなく噛み合わせの機能にも影響を与えることがあります。
受け口は軽度の歯並びの問題から、骨格の成長が原因となるケースまでさまざまです。そのため、適切な治療方法を選ぶには、歯の位置だけでなく年齢、顎の成長や骨格バランスを含めた診断が重要になります。
近年では、マウスピース矯正(インビザライン)によって改善できるケースも増えており、従来よりも目立たずに矯正治療を受けられるようになっています。
受け口の原因
- 遺伝による骨格の影響
- 幼少期の生活習慣(悪習癖)
- 顎の成長バランスの違い
受け口になる原因は一つではありません。大きく分けると「遺伝」「生活習慣」「顎の発育バランス」の3つが関係していると考えられています。これらが単独で影響する場合もあれば、複数の要因が重なって受け口が生じることもあります。
遺伝による骨格の影響
受け口は、ご家族に同じ傾向が見られることがあるように、遺伝的な影響を受ける場合があります。特に顎の大きさや位置関係といった骨格の特徴は似やすく、結果として上下の噛み合わせが逆になることがあります。ただし、必ずしも遺伝だけで決まるわけではなく、成長の過程や生活習慣によって変化することもあります。
幼少期の生活習慣(悪習癖)
小さい頃の習慣も、受け口に関係することがあります。例えば、舌で歯を押す癖や口呼吸、頬杖などは、歯や顎に持続的な力をかける原因になります。こうした力が長期間続くと、少しずつ歯の位置がずれ、噛み合わせのバランスが崩れることがあります。特に成長期は影響を受けやすいため、早い段階で気づき、改善していくことが大切です。
顎の成長バランスの違い
受け口の原因として大きいのが、上下の顎の成長バランスです。下顎の成長が強い、あるいは上顎の成長が十分でない場合に、上下の位置関係が逆転することがあります。このような骨格的な要因は、見た目だけでなく噛み合わせの機能にも影響します。成長期であればコントロールできる場合もありますが、成人では歯列矯正だけでは難しいケースもあり、適切な診断が重要になります。
受け口は複数の要因が重なって起こることが多いため、早めに原因を把握しておくことが大切です。だからこそ、少しでも受け口傾向が見られた場合は、早めにご相談いただくことをおすすめします。
受け口を治療しないとどうなる?
受け口は見た目の問題だけではなく、長期的に影響を及ぼす可能性があります。
- 見た目のコンプレックスにつながる
- 発音(滑舌)に影響が出る
- 食べ物が噛みにくくなる
- 歯の寿命に影響することがある
- 顎への負担が大きくなる
- 成長とともに悪化しやすい
見た目のコンプレックスにつながる
受け口は横顔のバランスに影響しやすく、見た目のコンプレックスにつながることがあります。特に下顎が前に出て見えることで、口元全体の印象が変わり、写真や会話の際に気になる方も少なくありません。
成長期や思春期では周囲の目が気になりやすく、心理的な負担になる場合もあります。見た目の悩みは自信にも関わるため、受け口の傾向が軽度のうちから適切に向き合うことが大切です。
発音(滑舌)に影響が出る
上下の前歯の位置関係が逆になることで、「さ行」「た行」「ら行」などの発音が不明瞭になることがあります。特にお子さまの場合、誤った発音の癖がそのまま定着してしまうこともあり、コミュニケーションに苦手意識を持つきっかけになることもあります。また、大人になってからも発音の違和感を自覚される方もおられ、仕事や対人関係に影響する場合があります。
食べ物が噛みにくくなる
受け口では前歯で食べ物をうまく噛み切れず、奥歯に負担が集中しやすくなります。その結果、咀嚼効率が低下し、食べ物をしっかり噛めない状態が続くことがあります。十分に噛めないまま飲み込む習慣がつくと、消化器への負担につながる可能性もあり、食事の満足感に関わることがあります。
歯の寿命に影響することがある
噛み合わせが不安定な状態では、特定の歯に過剰な力がかかり続けます。その結果、歯のすり減りや欠け、ひび割れなどが起こりやすくなり、長期的には歯の寿命に影響することがあります。
実際の臨床でも、反対咬合の方は奥歯に負担が集中し、痛みや破折などトラブルが生じているケースが多く見られます。反対咬合の方は、奥歯の寿命が短めで、歯を抜く必要になる場合が多く見受けられます。
顎への負担が大きくなる
噛み合わせのズレが続くと、顎関節に無理な力がかかりやすくなります。その結果、顎の痛みや違和感、口が開きにくいといった症状につながることがあります。また、無意識に噛みやすい位置を探すことで顎の動きが乱れ、顎関節症のリスクが高まることもあります。
成長とともに悪化しやすい
特に成長期では、受け口を放置することで症状が進行しやすい傾向があります。上下の歯の関係が逆であることで、下顎を前に押し出す力が働き続け、結果として受け口がさらに強くなることがあります。軽度だった状態が中等度・重度へ進行すると、歯列矯正だけでは改善が難しくなり、外科的治療が必要になるケースもあります。
このように、受け口は見た目だけの問題ではなく、機能面や将来的な健康にも影響する可能性があります。だからこそ、軽いうちに状態を把握し、適切な対応を検討することが重要です。特に受け口傾向が見られる場合は、早めにご相談いただくことをおすすめします。
受け口はインビザラインで治せる?

受け口のすべてがインビザラインで治療できるわけではありませんが、原因が歯の位置にある場合には改善できる可能性があります。特に軽度から中等度の受け口であれば、マウスピース矯正によって歯の傾きや並びをコントロールし、噛み合わせを整えることが可能です。
見た目の改善だけでなく、機能面のバランスを整えることにもつながります。大切なのは、歯列の問題なのか骨格の問題なのかを正確に見極めることです。
治せる受け口
インビザラインが適しているのは、前歯の傾きや歯並びのズレが原因となっている受け口です。たとえば、前歯が内側に傾いているケースや、歯列のズレによって一時的に噛み合わせが逆転している場合には、歯の移動によって改善が期待できます。
軽度の顎の位置ズレであれば、マウスピース矯正によって上下の歯のバランスを整え、見た目と機能の両面を改善できる可能性があります。
治せない受け口
一方で、下顎が大きく前に出ているなど、骨格的な問題が強い受け口では、マウスピース矯正だけでの改善は難しい場合があります。このようなケースでは、歯の位置だけでなく顎の骨格そのものに原因があるため、外科矯正を併用した治療が検討されることもあります。
そのため、受け口の治療では「歯並びの問題か」「骨格の問題か」を見極めることが非常に重要です。精密検査を行い、適切な治療方法を選択することが、満足のいく結果につながります。
受け口をインビザラインで治すメリット
インビザラインには、従来のワイヤー矯正にはないメリットがあります。透明なマウスピースを使用するため目立ちにくく、取り外しもできることから、食事や歯磨きがしやすいのが特徴です。また、通院回数を減らせる場合もあり、忙しい方でも無理なく続けやすい治療方法といえます。
さらに、金属を使用しないため口腔内への違和感が少なく、見た目のストレスも軽減されます。治療は事前にシミュレーションを行いながら進めるため、歯の動きがイメージしやすい点も安心材料のひとつです。
さらに、金属を使用しないため口腔内への違和感が少なく、見た目のストレスも軽減されます。治療は事前にシミュレーションを行いながら進めるため、歯の動きがイメージしやすい点も安心材料のひとつです。
受け口をインビザラインで治すデメリット
インビザラインは優れた治療法ですが、すべての受け口に適しているわけではありません。まず、マウスピースは1日20時間以上の装着が必要とされており、装着時間が不足すると計画通りに歯が動かず、治療期間が延びる可能性があります。また、取り外しができる反面、自己管理が重要となるため、患者さまの協力度によって結果が左右されやすい点もデメリットといえます。
さらに、骨格的な問題が大きい受け口では、マウスピース矯正だけでは十分な改善が難しく、外科的治療が必要になるケースもあります。そのため、事前の診断が非常に重要になります。
受け口のインビザライン治療にかかる費用
受け口のインビザライン治療にかかる費用は、症例の難易度によって大きく異なりますが、一般的には70万円〜120万円程度が目安とされています。歯並びだけでなく、顎の成長や骨格の影響によって治療内容が変わるため、検査・分析を行ったうえで個別に計画を立てることが重要です。
受け口のインビザライン治療にかかる期間
インビザラインによる受け口治療の期間は症例によって異なりますが、軽度から中等度であれば半年〜1年程度がひとつの目安です。歯並びの状態や骨格の影響によって個人差があり、必要な歯の移動量が多い場合は期間が長くなることもあります。
また、マウスピースは1日20時間以上の装着が推奨されており、装着時間が不足すると治療が計画通りに進まず、期間が延びる可能性があります。さらに、治療後は後戻りを防ぐための保定期間が必要であり、特に成長期では継続的なフォローが重要になります。
また、治った後も定期的に後戻りがないかチェックし、成長による後戻りがある場合は成長が完了するまで継続的なフォローが必要になります。
インビザラインで受け口の治療を検討している方は、西宮市甲子園の伊藤歯科クリニックにご相談ください
伊藤歯科クリニックでは、インビザラインによる矯正治療に力を入れており、お子様から成人まで多くの症例を治療しています。また当院は、年間750症例以上の実績を持つ「ブルーダイヤモンドプロバイダー」を受賞しており、豊富な経験をもとに患者様一人ひとりに適した治療計画をご提案しています。
受け口の原因や治療方法は患者様によって大きく異なります。まずは検査・分析・診断を行い、具体的な治療方法をご提案いたします。受け口の矯正治療をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
マウスピース矯正で後悔したくない方は、
甲子園矯正歯科
伊藤歯科クリニックに
ご相談ください

院長は年間750症例以上の治療計画作成実績に与えられるブルーダイヤモンド認定ドクターです。そして、他の歯科医院にも矯正治療指導を行なっているインビザライン公式スピーカー(セミナー講師)です。
気になるところを撮影して写真をLINEで送っていただければ院長が画像を確認して、マウスピース矯正で対応可能かどうか?抜歯が必要かどうか?費用や期間の目安などについて回答いたします!
監修者プロフィール
- プロフィール
-
大阪大学歯学部卒業。同大学大学院修了(歯学博士)。
口腔外科領域において高度な臨床経験を積んだ後、伊藤歯科クリニックを開院。
歯科医師臨床研修指導医。3500症例以上の矯正治療経験を有するマウスピース矯正の臨床家。
甲子園矯正歯科 伊藤歯科クリニックでは、年間300症例以上を院長自ら一貫して直接治療・経過管理している。
さらに外部歯科医院を含め年間750症例以上のマウスピース矯正治療を統括・管理し、インビザライン・ブルーダイヤモンドプロバイダーに認定。
多数症例の解析データに基づき、再現性と安全性を重視した治療設計を実践している。 - 資格
-
- 歯科医師(大阪大学歯学部卒業)
- 歯学博士(大阪大学大学院歯科口腔外科)
- 歯科医師臨床研修指導医
- インビザライン(マウスピース矯正)
- ブルーダイヤモンドプロバイダー(年間750症例以上)
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8:30~12:00 | |||||||
| 13:30~17:00 |
※休診日:日曜・祝日
診療時間外はLINEでメッセージをお受けします。